パラサイトの半地下から、麻布十番のニューヨークへ。そして最後はスターバックス。
会社の同僚が離婚後、1人で住むためのマンションを購入することになり、候補にあがっていた都心の新築マンション。すでにマンションがどんどん値上がり始めていた頃で、「都心で新築なんてすごいね」というと、ひとつ気になることがあると。
間取りも1人には十分な広さ、内装も好み、価格もギリギリ条件内、人気エリアで駅から徒歩5分と立地も申し分なし。
これだけきくと、買うしかないように思われます。
何が気になっているかって、それは「半地下」にあること。
半地下?
確かに、分譲マンションで半地下は聞いたことがなく、湿気や採光、防犯も気になります。
もちろん2階以上の部屋もありますが、価格的に無理。半地下ですが日光はある程度入り、防犯窓などセキュリティの問題もないとのこと。でも建設中のため、実際の部屋を見ることはできません。
「どうしよう?」と相談されても、庶民にとってマンション購入は大きな買い物。うかつなアドバイスはできません。
お洋服の相談ならば買って着てみることを迷わず推奨しますが、少なくないローンも背負うことになる買い物です。「気になることがあるのなら、とにかく冷静に考えて。」「家族にも相談を。」「良い出会いは一度きりではない。」と伝えました。
悩みに悩んだ同僚は、最終的にキャンセル。その後、全く別の超・都心にある築2年のマンション2階の部屋とラッキーな出会いがあり、無事購入することができました。
ここ数年、集中豪雨や台風で河川が氾濫し、洪水や浸水のニュースをよく目にするようになりました。その度に、あの半地下マンションのことを思い出します。
そんな記憶があっての、映画『パラサイト 半地下の家族』。カンヌでパルムドールを受賞し、今話題になっていますね。
ざっくりいうと半地下に住む貧困層の家族が、高台の豪邸に住むセレブ一家に寄生していくという話し。韓国の社会問題を浮き彫りにした「社会派映画」といわれるようですが、私は同僚の半地下マンションを思い出し、地下に住む、そこはかとない不安は万国共通のものなのだと思いました。
映画の中でも、大雨で洪水がおこり、貧困層が住むエリアは大変な被害を受けます。一方、高台の豪邸に住む家族は、被害が出たことすら知らない様子。
この大雨がターニングポイントとなって、後半、物語りは怒濤の展開を迎えます。132分間、私は始めから終わりまでスクリーンに釘付けになりました。
洪水の時、半地下にどんどん浸水し、おトイレからは汚物が溢れ出そうになります。主人公の妹が、その溢れ出る汚物に蓋をしてトイレに腰掛けタバコを一服。印象的なシーンです。
これ以上はネタバレになるので、続きは映画館で。「社会派」としても「エンターテインメント」としてもとても面白かったです。
さて、このブログの後半、ここから怒濤の展開を迎えて、半地下から麻布十番のニューヨークへ舞台が変わります。
六本木ヒルズで映画を見た後、向かう先はひとつ。麻布十番のハドソンマーケットベーカーズです。
シンプルでオシャレな外観、中にはチーズケーキやマフィン、ブラウニーなどニューヨークスタイルのスイーツが並びます。
オーナーが10年を過ごしたニューヨークの忘れられない味「チーズケーキ」が、このお店のはじまりとか。なのでこちらではチーズケーキファンが多いようですが、私のイチオシは「レモンポピーシードケーキ」です。420円。
アメリカでは定番のケーキで、アメリカに住んだことのない私の大好物。
ポピーシード(けしの実)のプツプツとした食感が楽しく、レモンの酸味がフレッシュ。アメリカで食べると生地がモソモソとしたものが多いのですが、こちらはキメ細やか。アイシングも甘すぎず酸味があり、とにかく美味しいぃぃぃ。
レモンポピーシードケーキはお持ち帰り、お店で今回初めて食べたのが「キャラメルバナナケーキ」。460円。
甘すぎず、キャラメリゼしたバナナが最高。リピート間違いなしです。普通のバナナケーキもありますが、私は断然「キャラメルバナナケーキ」をおすすめします。
商品はお店の2階で手作りされています。他でグラノーラが売られているのは見たことがありますが、ケーキ類は麻布十番でしか買えないはず。
しかし、今なら(いつまで?)全国のスターバックスで、オーナーの”おおつぼほまれ”さんがコラボしたマフィンが食べられるんです。
スタバで見つけた時、ポップに書かれたなんとなく記憶のある名前にひかれて購入。食べながら名前を検索して、ハドソンマーケットベーカーズのオーナーだと知った時、昔の同級生が有名人になっていたかのような感じがしました。
オレンジクランベリー、黒豆きなこ豆乳、バナナカカオチップなど。どちらも甘すぎず、小ぶりサイズで240円。
今週はバナナカカオチップを食べました。
この先、もしかしたら、もしかしたら、ニューヨークに住む機会があるかも?
なくはないかも?
絶対ないことはないかも?
その時は、懐かしくハドソンマーケットベーカーズを思い出すことでしょう。
▼ハドソンマーケットベーカーズ
東京都港区麻布十番1-8-6
東京メトロ都営大江戸線「麻布十番」駅から徒歩3分