明日は魚釣りをしよう。
私は「いろんな人に道を尋ねられる」という珍しい体質に加え、「お年寄りによく話しかけられる」という体質も持ち合わせています。
バスの停留所や郵便局、花屋の店先、本屋さん、近所の道端などなど、お年寄りとの出会いスポットは多くあります。
昔、家を出るのが普段より遅くなり、慌てて駅に向かっていた時、 前から歩いてくるおじいさんに「お嬢さん、もしもし、お嬢さん」と、呼び止められました。
もうぅぅぅ、急いでいる時にぃぃっっと思いましたが、100%善良そうなおじいさんを無視することはできません。
はい?と立ち止まると、
頭に卵がのっかっていますよ、とおじいさん。
意味がわからず、もう一度、はい?と聞くと
卵です、卵。と、ここだよと言いたげに自分の頭を触っています。
仕方なく、私も自分の頭を触ってみたら、手に「ベチャッ」としたものがつきました。
一瞬、鳥の糞かとひるみましたが、なんとそれは、頭につけるムースでした。
多分、家を出る前に慌ててつけたムースの塊が、頭に残っていたみたいなんです。
頭に卵って、おじいさんちょっとボケているのかな?と思いましたが、
ボケていたのは自分でした。
おじいさんにお礼を言い、ムースを伸ばし、駅にまた向かったってだけの話なんですけど、 それ以来、よくわからないことを話しかけているお年寄りを、余計に無下にすることができなくなりました。
そして、そのおじいさんは朝のお散歩中だったらしく、それ以来、朝会うと「おはようございます」と挨拶をする仲になりました。
近頃はコロナで外出できないため、もっぱらスーパーでおやつを漁る私。
4・5パックセットになったブラ下がるタイプのお菓子が、可愛くてお気に入りです。
先日も、今日は何を買おうかなあと、ブラ下がるお菓子のコーナーをぼーっと見つめていたら、
突然、見知らぬおじいさんに
今年は孫とカニを釣りに行かれないなあ、と話しかけられました。
この場所にいるのは、おじいさんと私のみ。
ちらっとおじいさんを見ると、おじいさんは真っ直ぐ私を見つめています。
逃れられない空気を感じた私は「コロナですもんね」と回答し、立ち去ろうとすると
あそこの川で今頃になるとカニが釣れるんだよ、とさらにプチ情報を投げかけてきます。
そうなんですか、と感心した風に答える私。
すると、おじいさんが「これならカニが釣れるなあ」と手に取ったのが、「おっとっと」でした。
懐かしい。
おっとっと、まだあるんだ。
おじいさんにつられるように、私もおっとっとを手にしました。
おっとっとを手に持ち、うなずき合うおじいさんと私。
一瞬、おじいさんと心が通いあった気がしました。
そして、私もカゴにおっとっとを入れたのを見届けると、おじいさんは満足そうに去って行きました。
家に帰って早速開けてみたら、カニどころではありません。
可愛い形のお魚たちが、出てくる、出てくる。
イカやら、サメやら、ヒトデやら。
なにやら複雑な形をしているのに、なにを表現しているのかわからないものもあり、 これは何?これは何?と楽しくなってきます。
ご飯に盛り付ければ、シーフードピラフに早変わり♪
母のご飯にのせて出したら「やだー」と言いながら、結構喜んでいました。
▼森永のHPでも、独創的なおっとっとアレンジが紹介されています。
おかずが足りない時は、食卓を華やかに演出してくれるおっとっと。
おじいさん、ありがとう。
パッケージの写真で、タツノオトシゴが可愛いなと思っていますが 2袋開けても、まだタツノオトシゴに出会えていません。
見つける楽しみもできました。
やっぱりお年寄りに話しかけられたら、ちゃんと話は聞くものですね。