ツインピークスにはチェリーパイ。ウエストにはヴィクトリア。
小さな白襟のブラウスに、紺のジャンパースカート、エナメルのストラップシューズ。昭和の子供のお出かけ服の定番です。そんな子供の頃のおめかしをなんとなく思い出すのが、銀座ウエストのヴィクトリア。
外側はクッキー生地でさっくり、内側はケーキのようにしっとり、上にはイチゴジャムがたっぷり。さっくり&しっとりの独特な食感で、ジャム付きクッキーとはまた別物の仕上がり、内側にもジャムがサンドされています。
ウエストにはリーフパイやシュークリームなどもっと有名なお菓子がありますが、私はヴィクトリアが一番好き。
イギリスの定番スイーツ「ヴィクトリア サンドイッチ」は、ラズベリージャムを挟んだスポンジケーキ。ヴィクトリア女王が愛したことからその名が付いたと言われています。私はこのヴィクトリア サンドイッチも大好き。
一方、ウエストのヴィクトリアは、ラズベリージャムではなくイチゴジャム、生地もスポンジではありませんが、きっとヴィクトリア女王にちなんだであろうと勝手に想像しています。
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私がおやつの本を出版することになったら、銀座ウエストに取材で真意を聞いてみよう(妄想)。
そして、出版記念にヴィクトリアのラズベリージャム版を作ってもらおう(切望)。
そのお菓子の名前は、「蜜柑のヴィクトリア」にしてもらおう(感動)。
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ウエストでは焼き菓子は「ドライケーキ」と呼ばれ、ヴィクトリア以外にも10種類ほどあります。ひとつ200円程度、私はいつも日本橋三越か銀座三越で購入します。なぜか三越に行くと、ウエストのお菓子を買いたくなります。
店頭にある小さなカゴに、気に入ったドライケーキを自分で入れて店員さんにわたしてお会計。どのドライケーキも人工香料などは極力使わない、素材勝負のシンプルな味。
ヴィクトリアに次いで好きなのが「アーモンドタルト」。フロランタンを軽くした感じでサックサク。キャラメリゼしたアーモンドの甘さがコーヒーにピッタリです。こちらの方が、ビクトリアより万人受けするかもしれません。
私の朝食はいつもカフェオレに焼き菓子をひとつ。ヴィクトリアがある朝だけは紅茶を合わせます。
薄くて繊細な磁器のティーセットを合わせたいところですが、日常使いの赤いティーポットは「ロンドンポタリー」製で確か4000円程度。雑に扱っても丈夫で割れにくく、内側に茶漉しが付いていたり、蓋がとれにくいなど使いやすい工夫も満点。
まるっとしたデザインもかわいいです。5年以上使用していますが、いまだにカワイイぴかぴかの赤いポット。
モノクロの記憶の中で浮かび上る赤い色。赤いポシェット、赤いリボン、赤いヴィクトリア。
私がデヴィット・リンチだったら、クーパー捜査官はチェリーパイではなくヴィクトリアを食べていたことでしょう。
それでは、おやすみなさい。
▼ヴィクトリア詰合せ
価格:1,836円 |
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