モテキ到来。
先日、人形焼との恋愛遍歴を赤裸々に語った私に、まさかのモテキが到来です。
コロナコロナで世の中が大変なことになっている中、私が勤める会社も業績大幅ダウンで大混乱。
我が社は、斜陽業種の大企業。それでなくても緩やかに沈むタイタニックに、隕石が落ちてきたようなものです。
下手に船体が大きいので、普段は船が沈みつつあることから社員全員が一丸となって目をそらすことができましたが、さすがに隕石落下のインパクトは強く、船の中を右往左往。
どこに逃げても沈むことには変わりません。
そんな状況下、私がいる部署だけは影響が少なく前年プラス。
普段は目もくれない花形部署が、突然手のひら返しでタッグを組もうとアピールをしてきます。
竹内涼真くんに「一緒になろう」と言われて、あなたは断れますか?
坂口健太郎くんに「助けてほしい」と言われたら、お財布ごと渡してしまいませんか?
でもね、今の私は、石原さとみ。
バラの花束も「欲しくないわ」、高級ディナーも「食べたくないの」と断ることができます。
そう、わかってる。これはコロナ特需。
人の不幸の上に、自分だけの本当の幸せなんて訪れません。
道端のタンポポも「まぁ素敵」、コンビニのおにぎりにも「おかわり♪」と言って、小さな喜びを見出せていた気持ちを忘れないで。
思い出すのはつい先日、特需前に異動になった元上司。
石原さとみに変身する前の、人形焼みたいな私たちに「必ずモテキが来る」といつも言ってくれました。
お別れの日一人一人にくれたのは、アンリ・シャルパンティエのフィナンシェ。
おやつモンスターの私ですが、フィナンシェは実はあまり好きではありません。
でも、久しぶりに食べたフィナンシェは、しみじみ甘く沁みる味。
さあ、そろそろ船を降りて、自分で小舟をこぐ時がきたようです。
ポケットには、おやつのフィナンシェを詰めて。
その前に、これから小舟に穴があいていないか点検に行ってきます。